脳汁portal

アメリカ在住(だった)新米エンジニアがその日学んだIT知識を書き綴るブログ

秋月のコイル(SMD Power Inductor) NR10050T100Mのライブラリを作った

以下の秋月のコイルのEagleのライブラリが見つからなかったので作成しました
akizukidenshi.com
データシート
http://akizukidenshi.com/download/ds/taiyouyuden/NR10050T100M.pdf

ライブラリ作成の開始

File > New > Libraryを選択すると新規ライブラリ作成画面が表示される
f:id:portaltan:20180601113208p:plain
まずはこの時点でライブラリ名を決めて保存してしまう
今回は『smd-power-inductor.lbr』とした
基本的にライブラリ名は英小文字と数字とハイフンで作られているので、それに従ったほうがよさそう

次から実際のライブラリ作成を進めていく。大きな流れは以下のようになる
1. Packageの作成 : パターン図に表示される
2. Symbolの作成 : 回路図に表示される
3. Deviceの作成 : 作成したPackageとSymbolを連携させる

Packageの作成

f:id:portaltan:20180601113418p:plain
Packageアイコンを選択して、名前を決める
(今回はNR10050とした)
以下のようなパターン図作成のような画面が表示される
f:id:portaltan:20180601114303p:plain

Gridの設定

まずはGridの設定を行う
今回は部品が小さいので、Sizeを0.1mm、Altを0.05mmにした
f:id:portaltan:20180601114529p:plain

Smdの設置

次にSmdの設置を行う
smdは表面実装用のpadで、pinはその名の通りピン用のホールを作成する
今回のコイルは表面実装コイルなのでsmdを選択する
f:id:portaltan:20180601114617p:plain

まずボード上に配置したら、Propertiesから調整をする

  • Name:1へ変更
  • position: 0,0へ変更
  • Smd Size: 2.6 x 4.5

f:id:portaltan:20180601115103p:plain
Smd SizeはデータシートのRecommeded Land Patterns通りにした
f:id:portaltan:20180601115804p:plain

つぎに見やすいようにスケーラをつける
f:id:portaltan:20180601115243p:plain
スケーラ自体もデフォルトは太すぎて見にくいので細く小さくする

  • Size: 0.3048へ変更
  • Layer: 47 Measuresに変更
  • Line Width: 0.01へ変更

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もしMeasuresのLayerを非表示にしている場合は見えなくなってしまうので、その場合はLayer Settingから47番を表示にする
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同じく高さ(データシートのC)もスケーラをつけた
f:id:portaltan:20180601120037p:plain

次に作成したsmdをコピーしてもう一つ作成する
smd間の距離はデータシートの通り5.4mmにする
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外形の作成

今回はコイルが丸型なので外形として円を書きます
大きさ等はデータシートを参考にします。ちょっと楕円になっていますが、ほぼ変わらないので半径は5mmとします。
f:id:portaltan:20180601120723p:plain

Circleを選んで適当に配置したら、Propertiesで調整します

  • Position: 4,0へ変更
  • Layer: 21 tPlaceへ変更
  • Radius: 5へ変更

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Descriptionの追加

下部のDescriptionというリンクをクリックして説明文を追加します
f:id:portaltan:20180601121147p:plain

Packageの完成

以上でPackageの完成です、保存をして次のSymbolの作成に移ります
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Symbolの作成

まずはSymbolアイコンをクリックして名前をつけます
f:id:portaltan:20180601121434p:plain
そうすると回路図の画面が表示されます
ここで実際に回路図に表示される記号を作成していきます
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コイル記号の作成

Arcアイコンを利用してコイルの記号を作成します
f:id:portaltan:20180601121808p:plain

pinのアタッチ

pinアイコンを選択して、以下のように配置します
f:id:portaltan:20180601121914p:plain
これもPropertiesで調整します

  • Length: shortへ変更
  • Visible: offへ変更

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Symbolの完成

以上でSymbolの作成は完了です。保存してDeviceの作成にすすみます
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Deviceの作成

Deviceアイコンをクリックして名前をつけます
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以下のような画面が表示されます
f:id:portaltan:20180601122354p:plain

Symbolの追加

Addアイコンから今作ったNR10050 Symbolをaddします
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Packageの追加

次に右下のNewボタンからNR10050 Packageをaddします
f:id:portaltan:20180601122549p:plain

Connect

まだPackageとSymbolは別のものとして関係がないので、Packageのsmdとsymbolのpinをconnectします
右下のConnectボタンを選択し、接続したいpinとpadを選択してConnectをクリックします
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Prefixの追加

右下のPrefixを選択し、Lと1文字いれてOKを押します
これで、同じ部品が呼び出されたときにL1, L2・・・と名前が自動で付加されていきます
(PackageとSymbolで名前を付け忘れていたのでつけています)
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Desciptionの追加

左下のDescriptionアイコンをクリックして説明文を入力します
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Deviceの完成

以上でDevideの完成です。これが最後の工程なのでライブラリの完成となります。
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確認

実際にライブラリを呼び出して確認してみましょう
Libraries一覧で確認をして、
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新規プロジェクトで呼び出すと以下のように先ほど作成したコイルが表示されるのが確認できます
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メモ

今回はやっていないんですが、パッケージ作成時の最後に中心点をパーツの真ん中にしておくと、実際にライブラリを使う際に便利です
(中心じゃないとrotate時に位置がずれてしまうので)